
夢は夢、月は月、人は人・・・
詩人はますます孤独の暗闇へと身を潜めていきます。
♪ノーストリングス 響き合わない
♪ノーストリングス 絆も切れて
詩人の心は(森山開次)詩を書くようにと紙を差し出しますが、
書こうとしても書けない詩人(姿月あさと)は、
その紙を次々と握り潰し投げ棄てて、
ついにはペンさえも叩きつけてしまいます。
自分の心とまでも
絆が切れてしまいそうな詩人に、
月は問います。
「なぜ、大切なものをわかろうとしないのですか?」
そして北アメリカでの話を始めます。
街外れのあるお屋敷で、
「さる高貴な身分の方」(伊藤明賢)の誕生パーティがあり、
荒野の唄歌い(藤林美沙)が誕生日を祝って歌い、踊ります。
招かれた客たちもみな楽しげに歌い、
グラスを合わせて乾杯します。
「さる高貴な身分の方」が下さったグラスを
歌い終わった唄歌いは膝まづいていただきます。
「さる高貴な身分の方」にとっては何気ない行為でも
荒野の唄歌いにはこの上もない喜びでした。
彼女は密かに呟きます。
「アンソニー・・・」
そして歌います。
♪月明かりになれたら
♪窓辺にさしこみ見つめつづける・・・
彼女はその「高貴な身分の方」に
身分違いの叶わぬ恋をしているようでした。
けれど誰にもその名前を教えないようにと風に頼むのです。
その唄歌いの想いが
自分に優しい光を地上に照らす力を与えたと
月は詩人に話します。
詩人は自分には口ずさむ名前がないことに気づきます。
想いを寄せる心を失っていたことに気づきます。
今こそ月の物語の贈り物を受け取ったと気づきます・・・
パーティに招かれた客たちにまぎれて、
森山さんも楽しそうに歌い踊っているのが印象的でした。
千秋楽のご挨拶で、
「歌っていいなと思った」という森山さんの言葉、
なんだかうれしかったです。
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